テレワーカーインタビュー(第3回)

「テレワーカーインタビュー」では、第一線で活躍するテレワーカーや起業家のインタビュー記事を掲載していきます。第3回目のゲストは企業や個人向けに人材育成を行っている久保彩さんです。

〜その時にできる最善の決断を〜
以前は、今の職業とは全く関係のない建築会社で働いていたという久保さん。退社後は、スポーツインストラクターや大手企業向けのマニュアルに基づいた研修講師を経て、独立をしました。現在は、心と身体をポジティブに保つ「アサーティブ・ストレッチ」を取り入れたオーダーメイド研修やカウンセリングを行っています。大変なことや失敗をすることもありますが、お仕事をする上で何が大切なのか、ご自身の経験を踏まえてお話を伺ってきました。
<独立をされたきっかけはどんなことでしたか?
久保:建築会社を辞めて、たまたま受けた職業適性検査がきっかけで、何か人に教えるという職業を目指すようになりました。これといった経歴もありませんでしたが、まずはスポーツインストラクターとして水泳を教えるようになりました。水泳を教えられるといっても、泳ぐことは苦手だったので、自分の経験を含めて、できない人の立場に立ったお話をしたことがとても好評でした。そこで「あなた、講師に向いているから」と声をかけていただき、大手企業向けにマニュアルに基づく研修講師の依頼を受け、講師もしていました。
でも、研修をする中で、いろいろな疑問が生じてきました。「決まったものをそのまま教えるのはつまらない」「企業の問題点にあった研修を行わないと意味がなく、何も変わらない」と感じるようになりました。これからは自分でコンサルタントも含めて、企業にあったオーダーメイド研修やカウンセリングを行なっていきたいと、独立を決断しました。その後、自分で勉強をする中で、アサーティブネスの事を知り、日本初のアサーティブ・ストレッチ(体をポジティブに動かすことでネガティブな心を引っ張ってもらう方法)を取り入れるようになり、産業カウンセラーの資格も必要だと思い取得しました。

お仕事はどのようにしていただいていますか?
久保:異業種交流会などに参加をして、そこで出会った方からの紹介を受けて、お仕事をいただくことが多いです。やはり、人と人とのつながりでしょうか。交流会を通して、普段会うことが難しい方と出会うことができ、教えていただくこともあります。また、私のセミナーに参加していただいた方からも、お仕事のお話につながることもあります。

お仕事で大変なことはなんですか?
久保:基本的にはこの仕事が大好きなので大変なことはありませんが、強いて言うならコンサルタントとして企業に入りその会社の社風や歴史といった、今まで大切にしてきたことを変えるようご提案する際に大変さを感じます。「嫌われているのかなと」と感じる程の反発を示されることもありますが、少し時間が経って、お客さまから「久保さんにお願いしてよかった」「久保さんを信頼して良かった」と言われるととても嬉しいです。他にも、小さな事でつまずくことはありますが、次の仕事へと身体に引っ張ってもらいながら、気持ちを切り替えています。

これから起業をしたり、個人で仕事を始めたりしようとしている人に必要なものやことはどんなことですか?
久保:必要なこと3つです
1.堅実であれ
堅実にコツコツとやっていくことは武器だと思います。
2.しなやかであれ
それぞれのライフステージに合わせて軌道修正していくというしなやかさはすごく重要だと思います。
3.人は必ずまいた種を刈り取るという原則を確信して生きるということ
人生を人任せにしないということだと思います。日々の小さな欠点から逃げず、自分が決めたことを、将来のために自分の手で種をまき、水を注ぎ、どんな結果にしても、自分が必ず刈り取るという自覚をもつことが大切です。それは、自分の人生を自分の力で生きていくということになります。

テレワークという時間と場所を問わない働き方についてどう思いますか?
久保:弊社のスタッフもオフィスに来て作業する時と、自宅で作業をしてくれる時があります。雇用する側にとっては、光熱費も交通費もかからないので、すごくありがたい存在です。本人もある程度、自由がきくという意味では、すごくWin-Winなビジネスモデルだと思います。

テレワーカーに求められるものはなんだと思いますか?
久保:想像力やコミュニケーション力だと思います。決められた仕事を決められた期日までに終わらせることは当たり前のことですが、それ以外に、より効率的に質の高い提案をしてくださると仕事としての価値は高いです。そういった発信ができる人材も必要だと思います。また、一人で仕事をしていると閉塞感もあると思いますが、可能な限りいろいろな人と出会い、外にアンテナを高く持つことで、お仕事も広がっていくと思います。

今後どのような働き方をしていきたいですか?
久保:法人化をしたいという思いがあります。また、自分自身のワークライフバランスも、もう少し考えたいですね。夫とゆっくり時間も持ちたいです。今よりさらに精神的、肉体的、経済的にゆとりを持てるようになって、そのゆとりの中で人をサポートしていくことが目標です。また、私に共感してくれる講師も増やしていきたいです。私一人では限界があるので、トレーニングシステムの確立など、人を育てていくこともこれからの課題です。

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自分の人生を自分の力で生きていくということは当たり前のことですが、その時に自分ができる最善の決断をすることが、また一歩、前に進む勇気につながるのではないかと思いました。

久保 彩さん プロフィール
横浜市出身。建築会社勤務後、偶然受けた職業適性検査で講師業の適性が著しく高いことが判明。 それを機に研修講師としてのトレーニングを経て、大手企業向け講師として登壇。
参加者を巻き込み人を動かすとの評価を得るものの、マニュアル化された指導を脱すべく2007年独立。
クライアントの業態や規模にとらわれず、徹底的なヒアリングを通じ組織の問題点に向き合うオーダーメイド研修を展開している。
またコンサルタントとして、企業内の人事考課制度構築、各種マニュアル策定、業務改善など外部ブレーンの役割も担っている。
その一方で、個人のワークライフバランスの充実をサポートすべくタイムマネジメントやアサーティブセミナーにて登壇。クライアントの可能性を引き出すカウンセリングにも定評がある。
関連リンク
一度の研修が人生を変える!Human Discovery Innovation【H.D.I】
http://h–d–i.com/