テレワーカーインタビュー(第4回)

「テレワーカーインタビュー」では、第一線で活躍するテレワーカーや起業家のインタビュー記事を掲載していきます。第4回目のゲストは地域のNPO活動にも関わり、Web関連の業務をテレワークで行っている熊井一之さんです。

〜楽しいと思える仕事を!〜

NPO法人I Loveつづきにテレワークという働き方で関わり、IT関係の業務を担当する熊井さん。会社員時代に経験をした知識を地域の中で活かしていきたいと思っているそうです。2008年春に外資系IT企業を退職し、現在は個人事業主としてNPOに関わるだけでなく幅広い業務や活動を行なっています。仕事でも「できた!」という瞬間が一番楽しいという熊井さんにお話を伺って来ました。

テレワークをはじめたきっかけはどのようなことでしたか?
熊井:会社を辞めた当時は、具体的に「何をしていこう」という考えもなく、テレワークという言葉も知りませんでした。1年ほどの充電期間を過ごしたあと活動を再開。個人事業の開業届を提出しました。ちょうどそのころに「I Loveつづき」というNPO団体が「テレワークフォーラム」を開催することを聞き、ここではじめてテレワークという働き方を知ったのです。話を聞いているうちに、自分もなにか地域で活動することができるのではないかと思い、さっそく「I Loveつづき」に登録をしました。それから、少しずつ仕事をいただくようになったことが、テレワークをはじめたきっかけです。

もともとIT関係のお仕事に就こうと思っていたのですか?
熊井:大学時代、コンピューターは嫌いでした。数学もプログラムの勉強も苦手で、触るのも嫌いでした。大学卒業後もITとは全く関係のない地質系建設コンサルタントの会社に就職しました。仕事上コンピューターは使っていましたが、調査結果の分析や報告書を入力する程度で、専門的な知識などは特にありません。特殊な業界だったので、当時は市販のソフトウェアがあるわけでもなく、多少コンピューターのことがわかる社員が書いたプログラムを使っていました。そうして書かれたプログラムなのでさまざまなエラーを起こして、止まってしまったり、保存できずすべて消えてしまったりと、困ることも多かったんです。そこで自分でどうにかしたいと手直ししたのがコンピューターに触れたきっかけでした。コンピューターの基礎を学んだこともないので初めはよくわかりませんでしたが、「ここで止まっているこれを何とかしたい」と思って調べることがとても楽しかったです。そこからはもっと勉強をしたいと思い、自分でいろいろとプログラムを作るようになったんです。会社内でもいつの間にかコンピューター関係の相談に応じることも増え、それならと思い、ITの会社に転職しました。その時に使っていたポケットコンピューターは、私がIT業界に入る原点ですね。

そうしてIT業界に転職されて、スキルを上げてからフリーになられたんですね。フリーになることに不安はありませんでしたか?
熊井:もちろん不安もありましたが、会社を辞めた理由のひとつとして、子どもとの関わりの中で「地元」を感じたことが挙げられます。それまでは、外資系の会社ということもあり、常に大きな世界を見て大きなことを考えていました。でも、仕事が休みの時に、子どもと地元の商店街を歩いていると、近所のおばちゃんが飴をくれたり声をかけてくれたりする。会社で仕事をしている自分と、この街に住んでいる自分とのギャップを感じました。子どもはこの地域社会にお世話になり、成長していくのだと思うと、自分も地域社会で何か役に立つことができないだろうかと思うようになったのです。

フリーになってからテレワークを始めて、何か変わったことや感じたことはありましたか?
熊井:テレワークという仕組み自体は、自分にとって目新しいことではありませんでした。ITの会社で働いていたということもありますが、PCがあってインターネットに繋がっていれば、どこででも仕事ができるというのは、それまでの働き方と大差はなかったですね。
むしろ、通勤時間がなくなったので、時間を有効に使えるようになりました。会社に通っていた頃は、自宅から会社まで往復2時間はかかっていたのでもったいなかったと思います。また、毎日子どもと食事をすることもできるようになり、一緒に過ごす時間も増えました。朝も子どもが学校に出かけるときに「いってらっしゃい」と見送っています。
デメリットの部分でいうと、休日にメリハリがなくなったことです。いつでも仕事ができるというのは良い面でもありますが、常に仕事のことを考えてしまいます。子どもが週末家にいると「今日は◯曜日だな」とわかりますが、それがなければ、きっと曜日の感覚もなくなってしまいますね。毎日、同じような繰り返しになってしまうので、意識的に曜日に関係なく「今日は休み」という日を作っています。仕事をやり続けるのもあまり良くないですし、効率も悪くなるので、少し休むことも大切かなと思っています。

今後、やってみたいこと、目標や夢はありますか?
熊井:やはり地域に根付いた仕事をしていきたいですね。最先端のITとまではいかなくても、セミナー等で得た知識を地域の人に伝えながら、もっと身近にITを感じ、使いこなしてもらえるようにサポートしていけたら良いですね。

最後にテレワークで働いている人や、これからテレワークを始めようという人に一言お願いします。
熊井:自分の好きなことや得意なことで仕事を見つけられると良いでしょうね。テレワークだから、ITに詳しくなければということでもないと思います。最低限の知識は必要ですが。テレワークは、仕事の管理も自分でやらなければいけないので、好きでなければ続けていくことは難しいと思います。楽しいと思える仕事を探してそれを極め、成果を誰かに一緒に喜んでもらえるようになることですね。

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自分が楽しいと思える仕事をすることは、もっとスキルを学びたいという姿勢にもつながり、その結果良い仕事を長く続けていけるのではないかと思います。「この仕事をしたい」という初心を大切にしていきたいですね。

熊井 一之さん プロフィール
群馬県出身。大学卒業後は地質系建設コンサルタントとして働き、その後、外資系IT企業へ転職。ITサポート、マーケティング、ソフトウェア開発を行なっていた。2008年に外資系IT企業を退職し、2009年にNPO法人I Loveつづきのメンバーになる。横浜市が行なっているひとり親家庭等在宅就業支援「はまみらい.ネット」では専門コースのWebを担当。
関連リンク(Webサイトの構築をお手伝いしたところ)
(はまみらい.ネット受講生を指揮してOJTで作成したものも含む)
・のんびりんこ http://www.nonbirinco.com/
・つづきミュージックビート http://webyoko.com/tmb/
・都筑の文化夢スタジオ http://webyoko.com/yumesuta/
・都筑区民文化祭 http://webyoko.com/bunkasai/
・マザー アーキテクチャー http://mother-architecture.org/
・シェアリーカフェ http://shairly.com/
・Tommy’s By The Park http://seseragi-jazz.com/