テレワーカーインタビュー(第1回)

2012年7月12日

「テレワーカーインタビュー」では、第一線で活躍するテレワーカーや起業家のインタビュー記事を掲載していきます。第1回目のゲストは女性起業アドバイザーをしている吉枝ゆき子さんです。

〜テレワークは発展性のある世界〜
ホームページ制作・コンサルタントのほか、女性起業アドバイザーをしている吉枝ゆき子さん。ホームページ制作等の活動はテレワーク(在宅ワーク)で行なっており、女性起業アドバイザーは週に2日、男女共同参画センター横浜で起業相談やホームページ診断をされています。今回はそんな吉枝さんのライフスタイルやテレワークを使った新しい働き方についてお話を伺ってきました。

テレワークという働き方についてどう思いますか?
吉枝:会社も厳しい経済状況を背景に余裕をなくしてきており、一人に課せられる仕事量や休日夜間など求められる労働時間が増えているところも多いです。子育てや介護をしながら働くことが多い女性にとっては会社では働きづらいという状況から、テレワークという働き方を選ぶ方がいらっしゃいます。私のところへも起業相談が増えてきましたが、そういった理由を挙げる方もいらっしゃいます。でも、自分で仕事を探していかなければいけないという厳しさはありますね。また、収入の面で、不安定になることは否めません。 私は子どもが小さい頃、母が近くに住んでおらず、誰にも頼れませんでしたし、主人の転勤もありましたので、テレワークという働き方はとても助かりました。子育てや介護をしていても、それが永遠に続くわけではなく、子どもが成長すれば働き方も変わってきます。テレワークを通して、その時の環境に応じた働き続け方ができるということは、とても良いと思っています。

困ったときや悩んだ時はどうしていますか?
吉枝:ほとんど自己解決していますが、どうしてもというときは主人や起業家仲間に相談をします。主人もIT関係の会社に勤務しており、PCのトラブルに対応してもらえるので心強いです。また、気持ちを入れ替えるために寝ることも、ストレス発散です。気持ちに余裕を持つことも大切ですね。

テレワーカーに必要なスキルや能力はどのようなことですか?
吉枝:ずばり『提案力』だと思います。これからは、自分で仕事を創りだしていかないといけないと思います。「こんな仕事をしてくれる人」と呼びかけると、手をあげる人はたくさんいます。でも自分から「こんな仕事できますが、どうですか」と提案していける人は少ないですね。経営学者ドラッカーの名言「顧客を創造する」という言葉は、まさにその通りです。アウトソーシングされる仕事は、クライアントによって「価格」と「短納期」で受注者が厳しく選択されます。しかし、自分でニーズを見つけて、それを「サービスメニュー」という形に整え、お客さまに提案していくことで、誰にも替わることのできない信頼される存在になることができ、仕事も拡がりを見せていくでしょう。

今後のテレワークについてどう思いますか?
吉枝:何かしらのスキルを身につけて、起業したいとか仕事を始めたいと思っている人は、自分の得意なことがどんな人にニーズがあるのか、自分の持っているスキルで何ができるか、と考えるようになります。そして次には、自分のサービスを知ってもらう方法を探していくようになります。それは、「○○セラピーの資格を取ったので、起業したい」という人にも、「Wordを習ったので、仕事を始めたい」という人にも、言えることです。このように、まったく違ったスキルを持つ起業家やテレワーカー同士がつながって、お互いのスキルを組み合わせてサービスメニューを創りだすという発想が持てれば、もっと仕事の幅も広がるのではないかと思います。

テレワーカーの皆さんへ一言お願いします
吉枝:将来の夢を大きく描きながら、目の前の仕事をコツコツと誠実に取り組んで下さい。今はまだ目の前にある仕事がとても小さくて、将来が描けない人もいるかもしれません。でも考え方、やり方次第でいくらでも可能性はあります。どんどん仕事を受注し、テレワーク仲間に仕事をふるうちに、会社組織として発展させていった方もいます。起業できるほどの発展性がある世界です。ぜひ夢を大きく描いてチャレンジして欲しいと思います。

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仕事を辞めてしまった人は、社会から見放されたような孤独を感じることもあります。吉枝さんはお子さんが小さいときにテレワークを続けたことで、社会とつながり、スキルやキャリアアップにもつなげることができました。自分で仕事を見つけていかなければならないテレワークでは、「働くとはなにか?」「自分がどういった形で働いていきたいのか?」「自分は何ができるのか?」と考えるようになります。こうして自分の状況と向き合うことは、自分の生き方を見つけ出す一歩になるかもしれません。吉枝さんのお話を聞いて、テレワークという働き方に大きな希望を持ってみたいと思いました。

吉枝 ゆき子さん プロフィール
横浜市出身。結婚、3人の子育て、転勤を経るなか、大手電機メーカーからシステム会社に転職し社員としてテレワークを経験。2007年4月、ホームページ制作コンサルティング会社「ソフィットウェブプランニング」を設立。同6月に男女共同参画センター横浜の「女性起業UPルーム」の開設とともにアドバイザーとして就任、起業準備相談やホームページ診断を行うほか企画運営サポート。また自らの事業としてホームページのコンサルティングで関わるビジネスを成功に導く一方、全国各地で「女性のための起業準備セミナー」「起業に役立つブログセミナー」「ホームページここを変えればもっと売れる」などのセミナーも行う。
関連リンク
ソフィットウェブプランニング
http://www.sophit.biz/
ブログ「ホームページ集客力アップコンサルタントのネタ帳」
http://ameblo.jp/sophit/
ブログ「ネットで学んでネットで相談!インターネット女性起業塾」
http://ameblo.jp/wkigyou/
横浜市「女性起業UPルーム」にて起業相談、ホームページ診断行っています。
http://www.uproom.info/